11月初旬、鹿児島と宮崎の県境にある大浪池の登山口に立った瞬間、胸の奥で小さな灯りがともったように感じました。 ここから先に、まだ見たことのない景色が待っている。そう思うだけで、背中の重いリュックが少しだけ軽く思えました。朝の空気はひんやりしていて、それがまた気持ちを引き締めてくれるようでした。 最初の登りは綺麗に舗装されていて、歩くリズムも一定に整っていきました。木々の間から差し込む光が揺れて、そのたびに足元の影がゆっくりと形を変えます。鳥の声が遠くから響き、その音が静かな森の空気と混ざり合い、体の奥ま ...